知らない人は損をしている?3つのエデュテイメントアンチパターン
エデュテイメントはインタラクティブに楽しむもの
プログラミング教育にはエンターテイメント性、つまり、エデュテイメントであるべきというお話をしました。
しかし、頭ではわかっているつもりでも、実際に目の前は「しーん」と静まり返っているのは教える身をしては拷問以外の何ものでもないですよね。
思ったとおりに物事が進まないとすぐに外的要因にする方もいらっしゃるようですが、
今回は自分自身を見つめ直すという目的も兼ねて、エデュテイメントで起こりがちなアンチパターンについてお話したいと思います。
ひとつでも当てはまったら危ない?「エデュテイメントアンチパターン」
アンチパターン①:自分一人で楽しんでいる
これは、エデュテイメントを意識しすぎたが故に陥ってしまうパターンです。
とにかく場を盛り上げようと意識しすぎてしまい、自分が面白いネタを披露します。
ご自身の持ちネタを披露することは決して悪いことではなく、結果として盛り上がればそれで良いのですが、
私がこれまで目の当たりにしてきた現場では、どれもこれもが散々な状況でした。
これが何故アンチパターンなのかと言えば、みなさんお分かりのとおり、自分しか面白くないからですね。
中には自分で話したネタで自分が笑っているものの、周囲からすると、とても不気味な光景になってしまうことも。。。
また、話を滑らせるとこで盛り上げることができる方もいらっしゃいますが、これは逆に高等なテクニックです。
このアンチパターンに陥らないようにするためのポイントは、相手に目線を合わせることです。
ひと昔前に鉄板だったネタも時間が過ぎれば風化してしまいますし、聞き手の趣味趣向に合うかどうかも分かりません。
昔取った杵柄ではないですが、持ちネタを過度に多様せず、時には封印する勇気も必要ですね。
では、どのようにして相手の目線に合わせるのが簡単なのでしょうか。
相手に合わせるためには、まず、その人のバックボーンをヒアリングしましょう。
いちばん簡単な方法は、自己紹介してもらうことです。
自己紹介では聞きなれないキーワードなどは、その後忘れてしまう可能性もあるので、必ずメモをとることをオススメします。
ヒアリングやメモが苦手な方は、事前にアンケートを取っておくと良いです。
アンチパターン②:教育者になってしまう
これがなぜアンチパターンなの?と、思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
ここで言う「教育者」とは、職業としてではなく、あくまでイメージとしての教育者っぽい人をイメージしてください。
この教育者パターンの方は前述のとおり、相手に目線を合わせずに、いわば上の立場からの発言になってしまいます。
「教えているんだから学びなさい」そんな態度が行動や言葉の端々、表情にも出てしまいます。
このような教育者オーラが出ている人から好んで学ぼうと思える方よりも、そうではない方の方が多いはずです。
似たようなケースでよくある話として、親御さんから「勉強しなさい」と言われると、返ってやる気を失ってしまうケースが挙げられます。
これも上の立場から高圧的に学ぶことを強制するパターンですね。
我々、大人からしても強制されると、どうしても反発的な感情が生まれてしまったり、モチベーションが下がってしまうということもあります。
大切なことは、教え手はその場に来てくれている聞き手と同じか気持ち上くらいの距離感を保ちつつも、強制的な対応はしない「保護者のような対応」が必要です。
保護者的な視線をもつためのポイントは、相手を観察し、その場にあった空気を作り出すことです。
教えるのが抜群に上手い方は、教え方の前に観察力があります。
観察力があると、相手に合わせた教え方にもつながります。
例えば、1日完結の勉強会などであれば、アイスブレイクでグループワークなどを取り入れつつ、個々の特徴をメモしておきます。
複数日に分かれて行う場合も、基本は同じですが、日々行動変化が起こるはずです。その変化も欠かさずメモしておきましょう。
そこに必ず目線を合わせるためのヒントがあるはずですし、どのように接するのが正解なのかが自ずと見えてくるはずです。
アンチパターン③:相手を見ていない
これは最悪のパターンかもしれません。
前述でも「相手を観察する視点を!」と伝えていても、これを履き違えてしまうと、定点観測的に、ポイントでしか見ていない方が出てきます。
大切なのは可能な限り、相手を見ることです。
例えば、普段教える立場として振る舞っている際に以下のようなケースに当てはまってしまうことはありませんか?
- 黒板やホワイトボードに向かって話している
- レジュメやテキストなどに目を落としながら話している
- パソコンなどに目を落としながら話している
以上の1つにでも当てはまるようであれば、行動を意識的に改善する必要があります。
聞き手は教え手の目の前で様々な成長や奇跡をおこしています。
それを見逃してしまうのは非常にもったいないです。
また、教え手が成すべきこととして、教えること以外にも褒めることが需要です。
そして、褒めるべきは結果ではなく過程を褒めるべきです。
結果を褒めてしまうと、相手は結果しか求めなくなり、次第に過程がないがしろにされてしまいます。
特に過程を重視するプログラミング教育においては致命的です。
とにかく、過程を見てあげてください。
学習を楽習へ
学習を楽習(楽しく学べる状況)に変えるのはなかなか大変だと思います。
ですが、特に大きな仕掛けが必要なわけではありません。
教え手の心がけひとつで劇的に雰囲気が変わります。
ご自身の中でいまいち聞き手が盛り上がっていないといった状況が続く場合は、
動画に撮ってみて見返してみるということも効果的です。
アンチパターンは他にもあると思いますが、まずは今回の内容をチェックしてみて、
今後の楽習指導に役立ててみてください。